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プンダリーカ

 「プンダリーカ」とは「白蓮華(びゃくれんげ)」を意味するインドの言葉で、西照寺のご本尊「阿弥陀如来像(あみだにょらいぞう)」が白蓮華にお立ちになっていることに由来し命名しました。
 『仏説観無量寿経(ぶっせつかんむりょうじゅきょう=観経)』というお経には「念仏の行者は白く清らかな蓮(はす)の花とたたえられる尊い人である」と説かれ、親鸞聖人も『正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)』の中で「是人名分陀利華(ぜにんみょうふんだりけ)」と阿弥陀如来の本願を信じ、お念仏をよろこぶ人のことを讃えておられます。

拡大してお読みになりたい方は、こちらのPDFファイルからお読み下さい。昨年のプンダリーカもご覧いただけます。

​令和7年5月の掲示板

 私たちは、一つのことに集中したり固執してしまうと、つい周りに目を向けることを忘れがちです。
私はそうなのですが、皆さんはいかがでしょうか。
「何としてもこれを達成したい」「これは必ずこのようなはずだ」などなど…そのような思いで前に進むことのみに意識を集中し過ぎてしまうと、周りの状況に目が向かず、かえって大切なことを見落としてしまうかもしれません。
 私自身、小・中・高校いずれもサッカー部に所属していたのですが、ボールをより遠くへ、またより強く飛ばす為には、一度必ず蹴る方の足を後ろに大きく振りかぶる必要があります。
また、跳躍して頭でヘディングをする際にも、一度膝を下へ屈伸させないと高く飛ぶことは出来ません。
このことはサッカー以外の様々なスポーツにても同様でしょうし、多くの陸上競技においても、より良い記録を出す為には助走を疎かにしてはいけないそうです。
私たちは前に進むことのみに重点を置きがちですが、より前に進む為には一度後ろに下がることが、より高く飛ぶ為には一度下へ力をためることが大切なことなのでしょう。
 他宗のお坊さんですが、曹洞宗(そうとうしゅう)の開祖である道元禅師(どうげんぜんじ)が、以下のような言葉を残しておられます。
「回光返照(えこうへんしょう)の退歩(たいほ)を学(がく)すべし。」(『普勧坐禅儀(ふかんざぜんぎ)』)
「回向返照」とは、自分の外側ではなくて自分の内面に目を向けて自分自身を見つめ直すことを意味し、「退歩」とは、後ろに下がるまた根本に戻ることを意味します。
つまり、歩みを止めて少し下がり、根本に戻って仏教のみ教えに自分自身を照らして顧みなさいということです。
この言葉は座禅を実践していく上でお示しになったものでしょうが、私たちの日常生活にも通じる部分があるのではないかと思います。
 時には立ち止まり、少し下がってみることが、結果的により前に進むことに繋がるのかもしれません。
また、たとえ前に進めなくとも、一歩下がるとその分視界も少し広くなりますので、見落としていた大切なことに気が付くことが出来るかもしれません。
たまには後ろに下がったていいじゃないですか!

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